祟られ屋シリーズ

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【祟られ屋シリーズ】病める薔薇、白い蛇

俺がイサムを伴って実家に戻ってから2・3週間ほど経った日のことだった。 部屋のドアをノックする音で俺は目覚めた。 安眠を妨害され、眠い目をこすりながら俺はドアを開けた。 「誰よ?」 浅黒い肌をした小柄な女が立っていた。 ラーナ……俺が...
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【祟られ屋シリーズ】傷跡

木島氏の元から戻った俺はしばらく悩んでいた。 悩みの原因は、マサさんの『叔母』、一木燿子の霊視だった。 燿子の言うところの『定められた日』……俺の死期はそう遠いものではないらしい。 そのこと自体は、少し前の俺にとっては大した問題ではなかっ...
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【祟られ屋シリーズ】日系朝鮮人

イサムと出かけたロングツーリングから戻った俺は、以前からの約束通り、木島氏の許を訪れていた。 呪術師としての木島氏しか知らなかった俺は、木島氏の意外な一面を知ることになった。 木島氏は婿養子らしい。 5歳ほど年上だという奥さんの紫(...
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【祟られ屋シリーズ】呪いの井戸

イサムと出かけたロングツーリングの終盤の話だ。 俺たちは、関東の某県に住むマサさんの古い知人を訪ねていた。 ヤスさん……忍足 靖氏は、個人タクシーを生業としており、呪術や霊能の世界とは基本的に関わりを持たない人物だ。 年齢は70歳を過ぎ...
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【祟られ屋シリーズ】黒猫

俺の住んでいたアパートは、築50年ほどの古い建物で、1階は元店舗、2階は4部屋で風呂なしトイレ共同の昭和の遺物のような物件だった。 1階のスペースを自由に使って良いのと、家賃が月2万8000円と激安の『昭和価格』だったことが決め手となっ...
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【祟られ屋シリーズ】イクリプス

俺は、キムさんに辞表を提出して実家に戻った。 はいそうですかと、簡単に辞めさせてもらえる業界ではない。 だが、俺に残された時間は少ない。 俺のために動いてくれている一木氏や榊夫妻とも、シンさんやキムさんとも、二度と会うつもりはなかった...
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【祟られ屋シリーズ】チルドレン

前回の話の続きを。 少年の両親の許可を得て、俺達は彼を霊能者・天見琉華の許へと連れて行った。 詳しい事情の判らないキムさんは憮然としていた。 「まさか、お前が琉華と接触しているとは思わなかったよ・・・」 「いや、俺も好き好んであの人と...
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【祟られ屋シリーズ】黒い御守り

俺は、金融業を営むオム氏から、大学生の娘さんのガードを依頼された。 最近、オム家の庭に猫の生首が放り込まれたり、家の壁に『ひとごろし』と落書きがされていると言う事だった。 商売柄、オム氏は人の恨みを買い易い。 以前、悪質なストーカー被...
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【祟られ屋シリーズ】鏡

季節が冬に変わろうとしていた頃だった。 俺は、オカマのきょうこママに呼び出された。 「ちょっと、相談したい事がある」と言うことだった。 久々に会ったきょうこママは巨大化していた・・・ま、マツコ・デラックス? 「久しぶり。相談って、何よ...
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【祟られ屋シリーズ】オイラーの森

シンさん、そしてキムさんに暇を貰った俺は、久々に愛車を引っ張り出してロングツーリングに出ることになった。 ただ、暇を貰ったと言っても、全くの自由行動と言う訳ではなかった。 シンさんが指定した幾つかのポイント・・・所謂『パワースポット』を...