洒落怖・怪談(管理人著)

洒落怖・怪談(管理人著)

幽霊が見えるサイト

私がその噂を耳にしたのは、まだ梅雨が明けない7月のことだった。 うだるような湿気に満たされた山手線の車内は、疲れた表情で帰路につくサラリーマンやOLが多い。 夜の19時30分。 私は吊革につかまって、スマートフォンでSNSのタイムライン...
洒落怖・怪談(管理人著)

“人”を食うもの -夏の思い出-

『クジラは大きな口を開けて小魚を食べる。その時に誤って人間が口の中に入ったら、クジラは人間を食べるだろうか』 小学4年生のとき。 友人の関口君とそんな話をしていた。 僕はクジラは人間を食べるだろうと主張した。 しかし関口君は首を振る。 ...
洒落怖・怪談(管理人著)

人間の顔

先日、街を歩いていた時に不意に肩を叩かれた。 振り返ると整髪剤で髪をかき上げたやたら肩幅ががっちりとした若い男性がにこやかに笑っている。 「久しぶり」 誰だっただろうか...という僕の心中を察したのか彼はあからさまに片方の眉を上げて呆...
洒落怖・怪談(管理人著)

蜘蛛の巣

幼いころから、僕はよく蜘蛛の巣にひっかかる。 古びた廃屋に入ったわけでもなし、林の中に分け入ったわけでもなし。 ただ小学校の野外授業で昇降口から出たとき、なんとなしに街中を歩いているとき、商業施設の中をぶらぶらしているとき。 僕は蜘蛛の巣...
洒落怖・怪談(管理人著)

一日一善の刑

俺は法廷に立たされていた。 これから裁判長とやらからありがたい判決が下されるらしい。 数件の強盗殺人。実刑は避けられないと弁護士に言われた。 そこをなんとかするのが弁護士の仕事だろと吐き捨てたが「やれることはやります」だとかなんだとか...