誰も信じてくれない俺がガキの頃に家族で海水浴に行った時の話。
そのとき行ったのは確か長崎のどこかだったと思う。
結構多くの海水浴客で賑わっていて別に目立った事故とかも無かったとこでね。
最初は波打ち際で遊んでいたんだが、浮き輪を付けて徐々に沖の方に泳いでいったんだ。
結構深いとこまで来てたんだけど、透明度の高い海だったから底の方まで見える
そして俺が底にいる魚や海藻を見ながらその辺りを回遊していたとき。
何か居いるんだよ。
底の方に。
巨大な何かが。
超然とした存在感を漂わせて魚ではない何かがうごめいてるんだ。
俺と「それ」の直線距離が大体6~8mぐらいあったから「それ」が何かは最初よく解らなかったんだけど、じっとその異様な物体を凝視している…。
海流で俺が流されたか「それ」が動いて来たのかは解らないけど俺と「それ」の位置が重なってはっきり見えたよ。
「それ」は象だった。
それも半端じゃなくでかい。
海底に象。
全く理解不能な状況だが不思議と違和感は感じなかった。
どこか現実感のない感覚だった。
ゴーグルを付けて見てたから見間違いとは思えない。
30秒程その状況で呆けた様にその象を凝視してたんだが、唐突に恐怖に襲われて逃げ出した。
すぐ親に話したんだけど誰も信じない。当然か。
この恐怖はあれを目の前にしてみないとわからないだろうな。
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