【払い屋 婆ちゃんシリーズ】さとり妖怪の裏をかいた話

払い屋 婆ちゃんシリーズ
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いつも術を使うために使っている薬草を取りにいくために、婆ちゃんはよく山に入る。

ある日、にわか雨に遭ってしまい、
近くの山小屋で雨宿りをしようとした。

そこに「さとり」がいた。
毛むくじゃらで、猿のような外見をしているそうで。
山小屋に入ると、そいつがどっかりと腰を降ろしていた。

「さとりだな、と思ったな」

そうしわがれた声で云う。

「どうやって退治しよう、と思っているな」

さとりは婆ちゃんとの間合いを詰めてきた。
だが婆ちゃんの方が上手だった。
素早く拳でフェイントすると、反対の手で思いっきり殴った。
心を読めるとは言え、フェイントに対して反射的に顔を
手でガードした所為で、二回目の拳をかわせなかった。
そのまんまタコ殴りにしてKO。
婆ちゃんはさとりを山小屋の外に放り出して、
皮膚の一部をはがしてしみる草を塗った。
さとりはひいひいいって山へ帰って行ったそうな。

婆ちゃんいわく、
「さとりの動きは野生の犬ころぐらいとろいからなんとかなった」
とか。

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